今から20年くらい前、仕事と息子2人の子育てで、ずっと毎日忙しくしていました。朝早く起きて洗濯、朝食の用意、準備をして子供を預けます。仕事から帰り子供を迎えに行き、夕食の支度をして、洗濯を取り込んでたたんで、お風呂にいれて、、の繰り返しです。子供は病気もするし、怪我もします。そんな中でも仕事は休めません。
会社も水道工事の会社から、宅配水や水自販機を始めた転換期だったこともあり、合わなくなった水道工事の社員たちは退職していきました。水道工事の業務を私がやることになり大変でした。水道局への申請をするための図面を書かなければならない時もあり、現場調査や水道局へ申請書を提出に行ったりしてました。平日に出来なかった会計資料を休みに出勤して対応しました。水道工事に関わったことで、仕事がどのように進んでいくのか、どれくらい時間がかかるものなのか、分かるようになったので改善点がみえてきました。
今でもどんな仕事も最初は必ず少しやってみて、把握してから社員に任せるようにしています。
子育ては周りの人に助けてもらってばかりでした。同じマンションのママ友、義母や実母や学校の先生など。子供は子供と遊びたがるので、同じマンションのママ友3人には、沢山助けてもらいました。義母は近くにいたので、子供達は一緒にいると一番安心していました。私が遅くなるときには夕飯を食べさせてくれたり、出前をとってくれたりして助かりました。子供をあずかるだけでも大変なのに、おやつや食事の指定など、こちらの要望を完璧に求めてはいけないと思いました。子供達は義母のことが大好きでした。実母は私が家事ができない時に遠いところから来てくれました。お風呂の掃除をしたり、料理を作ってくれたり、子供たちを公園に連れて行って遊んでくれたりしてその間私は休むことができました。
忙しい中、悩んで考えたことが大きく二つありました。一つ目は、長男は幼稚園、次男は保育園に行っていた時のこと。次男を連れて長男を幼稚園のバスに乗せ、その後次男を保育園につれて行っていました。長男の幼稚園は、沢山楽しい行事があって、次男も同じようにしてやりたいなあと思いながら幼稚園は夏休みがあり、自分の仕事と調整が難しいと悩んでいた時に、長男が通う幼稚園の園長先生と話す機会がありそのことを伝えると、「お母さんが後悔しないようにした方がいい。」と言われ、転園することにしました。毎日楽しく幼稚園のバスに乗る次男をみて、良かったと思いました。心配していた夏休みは、短期間預かってもらえる幼稚園に行かせたり、野外活動やサマーキャンプなど色々探して参加させたり、子供も退屈しないようにしながら、自分が働く時間を作るようにしました。二つ目は、長男が3年生、次男が1年生になったばかりのこと。担任の先生の家庭訪問の日でした。その先生は次男の担任でしたが、長男の1年2年でも違うクラスのベテランの先生だったのでよく知っていました。その先生が家に来られた時に、長男のことを相談しました。長男は新しい学年になると毎年2、3日熱をだして学校を休んでいました。新しい環境に緊張していたのだと思います。その先生に「お母さん、子供は今が一番大事な時期だよ。何やってるの、しっかりみてあげなさい。子供はすぐに大きくなるのよ。」といわれました。その時期は本当に忙しく、子供の話をゆっくり落ち着いて聞いていませんでした。子供が落ちついて過ごせる状況ではなかったのだと思います。その時先生に、ハッとさせられたことにとても感謝しています。私もそこで少し変わったのだと思います、子供達ものびのびと成長していきました。長男が希望の中学に合格した時には真っ先にその先生にお手紙を書きました。当時私が気が付かなかったら、私は子供にゆっくり向き合うこともなく、長男はこのような結果にならなかったと思います。あの時はありがとうございました、とお伝えしました。
(ウォーターポイント株式会社 取締役専務 小早川仁美)